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キャスタリア

2020.10.29

妊婦情報を共有するアプリを導入し、タンザニアの妊産婦死亡を減少させる

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キャスタリア社は、タンザニア国にてスマートフォンを通じて妊婦の情報ネットワークを構築するアプリTaarifa za Mamaを実装・普及します。これにより助産師の業務を改善すると共に妊婦への教育的アプローチとピアサポートの促進を行い、同国の高い妊産婦死亡率の改善に努めます。

2020年10月
キャスタリア株式会社


解決を目指す課題 タンザニア国での高い妊産婦死亡率
製品、技術、サービス 妊娠・出産に特化したPersonal Health Record アプリ「Taarifa za Mama(ママの記録)」
アプローチ 製品開発、実証試験、普及啓発
対象国、地域 タンザニア連合共和国
達成目標年 2025年
事業規模 タンザニア国の全ての妊婦が対象となる。但し、まずは大〜中都市部エリアに住む妊婦をメインとする。
パートナー 広島大学大学院 医系科学研究科 国際保健看護学 教授 新福洋子
SDGs該当ターゲット


3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を10万人当たり70人未満に削減する。

 

背景


10万人当たり524人(2017年)と高い妊産婦死亡率が問題視されているタンザニアでは、保健システム上、妊婦が妊娠中に訪れる病院やヘルスセンターが定まっていない上に、記録は紙のカルテか母親に与えられる記録のみのカードに留まり、教材や情報をわかりやすく説明した母子手帳が存在しません。妊婦の情報が個人として紐づけられていないため、助産師は診察の都度ノートや紙の記録からの情報収拾に時間を要し、肝心の保健指導や検査結果の説明等の提供を妨げています。また1診察あたりの所要時間が非常に長いことも、妊婦に混み合った待合室での長時間の待機を強いることとなり、妊婦健診に対する不満やストレスを加速させています。

妊婦情報が時系列につながらない現状では、助産師の保健指導の質は向上せず、妊婦に対しても妊婦健診への積極的な参加を促すことができません。




事業の目的


妊婦情報や診察内容などのデータをスマートフォンを介してクラウド上に保管し、診察内容を可視化・共有します。それにより助産師による保健指導の質の向上および妊婦健診数の増加を図り、タンザニアにおける妊産婦死亡の減少に繋げます。

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事業の詳細


Taarifa za Mamaアプリによって、1. 診察の効率性の向上、2. 保健指導の継続、3. 妊婦健診受診回数の増加の3点を実現すべく、助産師向け・妊婦向けに分けた2つの連動する機能を実装する予定です。助産師間の情報共有だけでなく、妊婦自身も健診前の事前問診やアプリ内掲示板でのコミュニケーション、妊娠周期毎の教育コンテンツの閲覧などを行います。

技術的な観点では、地図アプリ等に採用されているGoogle社のリアルタイム同期型サーバFirebaseを利用しスマートフォン専用アプリを開発します。それによりインターネット接続が不安定なタンザニアに於いても、比較的問題なく使用できる環境を実現します。また、極めてシンプルなUXおよびアフリカのコンテクストに合わせたUIにてアプリを実装し、助産師・妊婦のITリテラシーの低い層でもストレスない操作を可能にすることで、Taarifa za Mamaの普及を図ります。


コミットメント達成までの計画(マイルストーン)や活動進捗をモニタリングするKPI


<マイルストーン>
1. Taarifa za Mamaの開発と予備的実装(1年目)
妊娠期の診察情報の可視化とコミュニケーションツールとしてのアプリを開発し、助産師が容易に扱える状態を作ります。

2. Taarifa za Mama実装を介入としたクラスターランダム化比較試験(2〜3年目)
アプリを介入として実装する群としない群に分け、実証実験を行う。妊婦のポジティブな妊娠経験の形成にこのアプリが有効であることを証明します。

3. タンザニア中都市部に向けたTaarifa za Mamaの普及(4〜5年目)
段階的に分け、アプリをタンザニア中都市部の病院に普及する。スマートフォンやインターネット回線が必要となるため、まずは都心部から導入を行います。

<KPI>
Taarifa za Mamaを使用する助産師の数


コミットメント達成に必要な条件


・Taarifa za Mamaの開発・運用のための外部資金の獲得
・タンザニア保健省、タンザニア国立医療研究機関(NIMR)からの許認可の取得
・助産師が診察時にスマートフォンを利用できること


各パートナーとの役割分担


キャスタリア社:技術サイドを担当しTaarifa za Mamaの開発、実装、安定運用ならびに普及サポートを行います
新福 洋子教授:助産の専門家としてTaarifa za Mamaの設計、ならびに普及に向けた現地医療従事者への指導等行います


参考文献、引用文献、関連リンク


UNICEF、世界子供白書2019、母親と新生児の健康指標
https://www.unicef.or.jp/sowc/pdf/UNICEF_SOWC_2019_table3.pdf


企業情報、問い合わせ窓口


企業名: キャスタリア株式会社
担当者: 鈴木南美
メールアドレス: info "at" castalia.co.jp

(メールアドレスの "at" は@に置き換えてください)

編集:本文および写真・イラストは全てキャスタリア社より提供