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メロディ・インターナショナル

2020.10.29

世界中のお母さんと赤ちゃんに安心・安全な出産を

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メロディ・インターナショナル株式会社はモバイル型分娩監視装置iCTGの発展途上国向けモデルを開発し、2024年の東南アジア諸国、南アジア諸国における妊産婦死亡率・周産期死亡率の低下を目標に以下の活動を行います。
1.妊婦健診の受診率を向上させます。
2.産婦死亡率・周産期死亡率を低減させます。
3.妊産婦の搬送(リファー)率を向上させます。

2020年10月
メロディ・インターナショナル株式会社


解決を目指す課題 妊産婦・新生児の予防可能な死亡
製品、技術、サービス モバイル型分娩監視装置iCTG/周産期遠隔医療プラットフォームMelodyi
アプローチ 製品の発展途上国向け廉価版の開発、製品普及
対象国、地域 ミャンマー、ブータン、カンボジア、タイ(国境地域)など
達成目標年 2024
事業規模 廉価版開発、製造予算:約2億円
出荷台数:約10,000台
パートナー 国内外のNPOやNGO、大学機関との連携
当事国へのロジスティクスに長けた商社との協業
SDGs該当ターゲット


3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を10万人当たり70人未満に削減する。
3.2 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児および5歳未満時の予防可能な死亡を根絶する。



5.b:女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。

 

背景


 世界の妊産婦死亡率は下降の一途を辿っていますが、世界平均で10万人当たり211人(2017)と依然として高く(注1)、その死亡例の多くが発展途上国で起こった予防可能なものであったとされています。周産期死亡率も同様に、発展途上国の水準は世界平均の出生1,000人あたり17.7人を大幅に上回っています。また、2020年10月にユニセフなどにより発表された新しい報告書「顧みられない悲劇:世界における死産」(注2)によれば、年間200万人の赤ちゃんが死産となっています。

 これらの死亡率の抑制に必要とされているのが「安全なお産」です。医療従事者の介助のもとなされるお産と、出産前・出産時・出産後の適切なケアにより、これらの死亡例のいくつかを予防することが可能です。

 メロディ・インターナショナルのiCTG(モバイル型CTGモニター)はこれらの適切なケアを実現する製品です。従来型CTGの十数分の1のサイズまで小型化して利便性を高めたほか、インターネットを介して胎児の状況を医療従事者に共有できることで、妊婦の遠隔診療も可能になります。診断可能な超小型で完全ワイヤレスのCTGとしては世界で初めての製品です。この機器の普及により、医療従事者が限られ、医療アクセスが悪い地域でも、早期の上位病院への搬送(リファー)体制が実現可能となり、安全な出産をサポート出来ます。しかし現在、日本国内向けに販売されているiCTGは発展途上国ではまだ高価で、普及が難しい状態となっています。弊社では現モデルの発展途上国向け廉価版モデルを開発することで、発展途上国の妊産婦・周産期死亡率の抑制を目指します。


事業の目的


「世界中のお母さんに、安心・安全な出産を!」をモットーに分娩監視装置「iCTG」の発展途上国向け廉価版を2021年中に開発し、量産体制の確立と、引き続き対象地域での許認可取得および製品普及をし、現地販売開始から3年間で対象地域での上位病院への搬送(リファー)率の向上を図ることで妊産婦死亡率と周産期死亡率を低下を目指します。


事業の詳細


本事業で活用するiCTGは、助産師の業務負荷の軽減、健診の量・質の改善、施設間の情報共有化を可能とし、ハイリスク妊婦の早期発見と継続観察(モニタリング体制)を実現化する製品です。CTGは、妊娠・分娩中の胎児管理に欠かせないものですが、発展途上国では上位病院では分娩数に対する必要台数が不足し、小さな町や村の病院では全く整備されていない現状があります。病院数が圧倒的に不足しているため、携帯可能な本製品を導入することで、病院へのアクセスが困難な脆弱層へのサービスの改善が期待できます。また、iCTGによる健診は上位病院への妊婦照会時、特に緊急搬送時の妊産婦の計測データを事前に共有することで、医療サービスの迅速化と質の改善を実現します。



例えば、ミャンマーの保健省は、保健医療情報の電子化を戦略的アプローチの一つとして政策に掲げており、2018年にeHealth Unitを作り、下位病院から上位病院への遠隔医療体制の整備が進めています。保健大臣による推進の下、長期的に電子カルテの導入やデータの送信が可能な周産期医療機材の導入を目指しており、iCTGのようなデジタル化された胎児モニターの導入が進むことが期待されています。

本事業では、短期的に、パイロット地域において、約1,000人の妊婦への周産期管理サービスの量・質の改善を実現し、現地の母子保健の改善に寄与します。中長期的には、公立病院のみならず私立病院へのビジネス展開も図り、都市部・農村部における妊産婦死亡率・新生児死亡率の低減を実現することを目指しています。


コミットメント達成までの計画(マイルストーン)や活動進捗をモニタリングするKPI


・販売台数(全世界向け):10,000台

パイロット地域における対象期間で、
・妊婦健診受診率:2割改善
・搬送(リファー)率:3割向上
・妊産婦死亡率:1割改善
・周産期死亡率(現状で統計情報が無い地域が多いため、新生児死亡率を仮に採用):1割改善


コミットメント達成に必要な条件


発展途上国向けモデルの開発資金の獲得及び量産体制の確立。国内のみならず、当事国での量産も視野に入れる。
当事国での医療機器に関わる規制のクリア。必要な場合は、東南アジア地域共通の医療機器規制のクリア及び欧州の医療機器認証の取得など。
日本と当事国を繋ぐロジスティクスの確立。現地輸入・登録業者やコンサルタントとの契約。ディストリビューターの開拓。当事国メンテナンス体制の確立。


各パートナーとの役割分担


大学機関:英文での論文作成や、提携大学とのコミュニケーション
国内NGO:現地に事務所がある場合、現地拠点として共同で活動
現地NGO:政府機関などとのコミュニケーション仲介、現地ロジスティクスなど


参考文献、引用文献、関連リンク


(注1) UNICEF, Maternal Mortality, September 2019
    https://data.unicef.org/topic/maternal-health/maternal-mortality/
(注2) UNICEF,「顧みられない悲劇:世界における死産」(原題:A Neglected Tragedy: The Global Burden of Stillbirths)
    https://data.unicef.org/resources/a-neglected-tragedy-stillbirth-estimates-report/


企業情報、問い合わせ窓口


企業名:メロディ・インターナショナル株式会社 
担当者:二ノ宮敬治
メールアドレス:support ”at” melody.international 

(メールアドレスの“at”は@に置き換えてください)

編集:本文および写真は全てメロディ・インターナショナル社より提供