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SOIK

2022.07.11

産科健診DXでアフリカの妊産婦・新生児死亡を減らす

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SOIKは、アフリカの小規模医療施設で働く一般医、助産師、看護士を支援するデジタル産科ソリューションSPAQの改良・普及活動を通じて、2026年までに1万の医療施設において、以下の指標の改善に貢献します。
1. 保健サービスの質向上
2. 妊婦健診数の増加
3. 妊産婦および新生児死亡率の低減

2022年7月
株式会社SOIK


解決を目指す課題 アフリカにおける妊産婦および新生児の高い死亡率
製品、技術、サービス デジタル産科ソリューション 
アプローチ 製品開発、ビジネスモデル構築、調査研究、ユーザートレーニング、政策による普及
対象国、地域 アフリカ
達成目標年 2026年
事業規模 1万の医療施設において、4万人の医療従事者が、毎月50万件のデジタル産前健診を行うようになる。2026年の売上30億円。
パートナー コンゴ民主共和国保健省、特定非営利活動法人 母と子の医療を世界に届ける会(IGPC)、ヘルスアンドテック合同会社
SDGs該当ターゲット


3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を10万人当たり70人未満に削減する。
3.2 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児および5歳未満時の予防可能な死亡を根絶する。

 

背景


SOIKは、アフリカの人々の医療の質を、ビジネスの力で高めることを目的に設立されました。

例えばコンゴ民主共和国では、妊産婦の死亡率が日本の約100倍です(1)。高い死亡率の原因の一つは医療サービスの質が低いことにあり、政府が定める最低限のサービスを提供できる医療施設はわずか6%とされています(2)。

産科医療サービスの質の問題に取り組むため、当初はスマホで使えるポータブルエコーの普及に取り組みました。対象ユーザーは超音波検査技師や専門医ではなく、地方の小規模医療施設への展開を見据えて、看護師・助産師です。未経験者でも短期間で技術習得ができる研修プログラムを開発し、無事に技術移転は実現しました。しかし、研修の実施後に機材が購入され、産前健診にエコー検査が普及されるまでには、大きな壁があることがわかりました。

課題のひとつは、現場の医療施設での定型(ルーティン)業務に、エコー検査が取り入れられていなかったことです。ルーティン業務として定着しない限り、機材を提供して技術移転をしても、保健サービスとして活用されることはないと痛感しました。また、政府調達での普及を目指すにも、案件の継続的受注や消耗品の購入を含む継続利用を確実にするためのビジネスモデル構築など、デバイス開発以外の課題もありました。

この取り組みの中で、開発途上国の僻地でも使えるポータブル医療機器が多く市場に出現していることがわかりました。日本にも高い志と技術を有するスタートアップが多くありますが、やはり上述のポータブルエコーと同様の課題があります。アフリカをはじめとした開発途上国の現場で必要な製品を開発した人々がいて、ニーズも製品もすでに存在するにもかかわらず、現場で展開できないことを大変残念に感じました。

この問題を解決する方法として、SPAQは生まれました。産前健診のプロセス全体をナビゲートするアプリは、IoT医療機器を使用したフローをルーティン化します。実際に、コンゴ民主共和国Kwango州で実施された実証実験では、7医療施設で1,014回実施されたデジタル産前健診のうち、エコー検査は88%実施されました。ビジネスモデル面においても、政府向けと病院向けの製品販売、レンタル、サブスクリプションを組み合わせた課金体系を導入したことで、顧客との継続的な関係構築と利益率の確保を両立することができます。

SPAQがアフリカの小規模医療センターに張り巡らしたネットワークを創出することで、他の有望なポータブル医療機器が現場に入り込むことを容易にし、現場の医療従事者は最新のテクノロジーをより早く活用できるようになります。現地の妊婦さんや赤ちゃんはより良いサービスを受けることが可能となり、その結果として死亡率を低下させていくことを目指します。

Echo  Echo in Smartphone


事業の目的


アフリカにおける妊産婦・新生児死亡を減らす

Mother and Child

事業の詳細


SPAQはスマホアプリをプラットフォームとして、産前健診に必要なデバイスをパッケージにして保健センターに提供します。SPAQが導入された医療施設は、現地政府が定める基準以上のサービスを提供できるようになり、サービスの質と患者の満足度が向上します。その結果、医療施設に来る患者が増え、受診数が向上します。産科健診のサービスの質およびアクセスが向上することで、妊婦と新生児死亡率の減少を達成します。

SPAQ_jp


SPAQ Causal Loop Diagram_jp


コミットメント達成までの計画(マイルストーン)や活動進捗をモニタリングするKPI


1. 妊産婦・新生児の死亡率
2. 妊婦健診受診率
3. SPAQ導入施設数
4. SPAQオペレーター(医療従事者)数
5. デジタル健診実施数(累計、月間)
6. 導入医療施設の収益性(デジタル健診分の売上、導入前との比較)
7. パイロット事業の実施国数、州数


コミットメント達成に必要な条件


1. 外部資金の獲得
2. 国際機関調達のための認証や便覧掲載等
3. 早期異常検知を支援するアルゴリズム開発
4. 付属するIoT医療機器の低価格化


各パートナーとの役割分担


・コンゴ民主共和国保健省:実証事業の計画・実施や政策導入における連携
・特定非営利活動法人 母と子の医療を世界に届ける会(IGPC):周産期医療の技術的知見の提供
・ヘルスアンドテック合同会社:ソフトウェア開発


参考文献、引用文献、関連リンク


(1) WHO, Global Health Observatory, Maternal mortality ratio (per 100,000 live births) 2017の推計値ではコンゴ民主共和国が473、日本が5です。コンゴ民主共和国保健省の妊産婦死亡を担当する部署が使用している統計では800以上という数字が使用されています。
(2) JICA保健行政アドバイザー公示文書(https://www2.jica.go.jp/ja/announce/pdf/20210630_215391_4_02.pdf


企業情報、問い合わせ窓口


企業名: 株式会社SOIK
担当部署、担当者: 古田 国之
メールアドレスまたは電話番号: info "at" soik.co.jp

メールアドレスの“at”は@に置き換えてください

編集:本文および写真は全てSOIK社より提供