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エフバイタル

2022.05.18

環境や状況に応じて最適な治療方針を提示するハンドヘルド・アダプティブ・トリアージ・アプリで医療の最適化と乳幼児死亡率低下を目指す

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現在、感染症によって命を落としている世界の子どもたちの多くは、早期検知と適切な医療機関での正しい処置により助けることができます。これらを阻む要因には、家庭内の医療リテラシー不足や経済状況に加えて、医療機関へのアクセスや医療物資・人材の不足など、多様な社会課題があげられます。このような課題に対して、エフバイタル株式会社は、ハンドヘルド・アダプティブ・トリアージ・アプリ(以下、HAT)を用いて解決します。HATでは一般的なスマートフォンで撮影されたわずか数十秒の動画からバイタルデータを取得することで、文字入力無しで、患者の緊急度を判定します。更に環境要因を取り入れ総合的に判断することで、患者にとって最適なトリアージを可能にします。

2022年5月
エフバイタル株式会社


解決を目指す課題 世界、特に開発途上国における乳幼児死亡率の低減
製品、技術、サービス スマートフォンアプリによる非接触バイタルデータの取得・解析、及び患者が置かれた環境要素を取り入れた、個別最適化されたトリアージシステムの開発
商品名:Handheld-Adaptive-Triage-Application(HAT)
アプローチ バイタルデータ取得・解析のためのアプリケーション開発・実証研究の実施・各地域への普及
対象国、地域 カンボジア、ラオス、ブータン、ミャンマー他
後発で、ケニア、ガーナ、ナイジェリアなどのアフリカ諸国
達成目標年 2024年12月末
事業規模 ・2024年12月までに対象国の感染症の発症率が高い地域において50%のHAT普及率を目指す
・2023年3月までに80%、2024年3月までに90%のトリアージの精度を目指す
パートナー 実証研究パートナー:サンライズジャパンホスピタル(カンボジア)※現状
SDGs該当ターゲット


3.1 2030 年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生 1,000 件中12件以下 まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生 1,000 件中 25 件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。

 

背景


エフバイタル株式会社は「生まれた環境に依存せず、生存し、成長し、自ら未来を選択できる社会」の実現を目指しています。

WHOによると、世界では開発途上国を中心に年間500万人以上の子どもが命を落としています(*1)。5歳未満の子どもの死因の約29%を、肺炎・下痢症・マラリアが占めると言われますが(*2)、これらは予防と治療が可能です。肺炎の多くは抗菌薬で治療が可能で、下痢症による死亡の70〜90%は経口補水塩で防ぐことができます。このように、早期検知と適切な医療機関での正しい処置により、多くの子どもたちの命を助けられます。これらを阻む要因には、家庭内の医療リテラシー不足や経済状況に加えて、医療機関へのアクセスや医療物資・人材の不足など、様々な社会課題があげられます。

日本の政府開発援助(ODA)総額に占める国際保健分野の割合は約5%と低く、民間セクターによる積極的な活動が必要であると考えます。お金だけでは解決できない、前述の社会課題に対してエフバイタル株式会社は、テクノロジーの力に様々なパートナーとの連携を加え、世界中でHATを普及させることで解決します。将来的にデータが蓄積すれば各地域で必要な医療リソースを可視化でき、最適化が可能となります。

会議風景

事業の目的


・HATを開発・普及させることで感染症による5歳未満死亡率を低下させます(SDGs 3.2)。
・データの蓄積により疾患の早期検知や診断が可能になります。
・医療機関との連携により医療機関の負担軽減や人材・物資の最適配分が可能になります。


事業の詳細


サービス図

一般的なスマートフォンで撮影されたわずか数十秒の動画から、患児のバイタルデータを取得し、緊急度を判定します。保護者の状況や周辺の医療リソース、天気や道路状況、地理的状況や政治的状況などの要素を総合的に判断して最適なトリアージを行い、最も目標達成度が高い対応方法を推奨アクションとして出力します。識字率が低い地域の保護者にも瞬時に理解できるよう、動画による入力と、アイコンによる出力を用います。


コミットメント達成までの計画(マイルストーン)や活動進捗をモニタリングするKPI


マイルストーン

2022年4月〜2023年3月末
ハンドヘルド・トリアージ・アプリの基礎技術に関する実証研究
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実証研究(PoC)の進め方

第1段階 動画から重症度を判定するための情報収集
確実に重症度のラベルがつけられる病院で実施。
対象:外来受診した6歳未満
人数:100人 /10病院
実施場所:病院
実施期間:10週間

第2段階 自宅で撮影した動画で重症度を判定
第1段階のPoCに参加した病院の患者の自宅での様子を撮影してもらう。第1段階で収集したデータからオフラインで判定できるところまでアプリを開発した後に実施。
対象:比較的にすぐ病院受診できる家庭の6歳未満
人数:10人/病院 × できれば複数
実施場所:院外(自宅)
実施期間:10週間

第3段階 自宅で撮影した動画で重症度を判定
病院に行くことのハードルが高い地域・環境で実施。
対象:簡単に病院受診できない家庭の6歳未満
人数:乳幼児死亡率が比較的高く病院から遠いエリアで100人/地域 × できれば複数
   あるいは、村の1箇所でいつでも判定できるような体制を用意
実施場所: 院外(自宅または村の集会所)
実施期間:10週間
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2022年6月~2024年12月末
アダプティブ要素の取り込み実証研究

※「アダプティブ」要素について
開発途上国では、保護者の経済状況や周辺の医療リソース、天気や道路状況、地理的状況や政治的状況などの要素が治療の妨げとなります。そのため、これらの様々な要素を総合的に判断して最適なトリアージを行うことが死亡率低下に必須です。
例1)道路交通情報に基づいて、最寄りの医療機関までの最短経路を提案する
例2)経済状況に応じて、最もコストパフォーマンスの高い治療法を提案する
例3)(応用)住民の予後を最も良くできる病院の建設地を提案する


コミットメント達成に必要な条件


外部資金の獲得
実証研究に協力して頂ける国内外の病院とのマッチング
実証研究に協力頂ける国内外の自治体とのマッチング
販売会社とのマッチング


各パートナーとの役割分担


実証研究パートナー:サンライズジャパンホスピタル(カンボジア)※現状


参考文献、引用文献、関連リンク


1. WHO. (2021). Latest child mortality estimates reveal world remains off track to meeting Sustainable Development Goals. Retrieved April 26, 2022, from
https://www.who.int/news/item/20-12-2021-latest-child-mortality-estimates-reveal-world-remains-off-track-to-meeting-sustainable-development-goals

2. UNICEF. (n.d.). Childhood diseases. Retrieved April 26, 2022, from
https://www.unicef.org/health/childhood-diseases


企業情報、問い合わせ窓口


企業名: エフバイタル株式会社
担当部署、担当者: グローバルヘルス事業、安島真澄
メールアドレスまたは電話番号: info"at"fvital.tech

(メールアドレスの“at”は@に置き換えてください)

編集:本文および写真は全てエフバイタル社より提供。