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エフバイタル

2023.05.26

スマートフォン1台で利用できる新生児蘇生法の教育支援AIシステムで、新生児死亡率低下を目指す

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エフバイタル株式会社は「生まれた環境に依存せず、生存し、成長し、自ら未来を選択できる社会」の実現を目指しています。新生児の約15%が蘇生措置を必要とする状態で生まれてくるとされていますが、適切な処置を受けられなかったために生じる新生児死亡や脳性麻痺の数は少なくありません。特に開発途上国においては、都市と地方の格差、設備やインストラクターの不足などの問題が深刻と考えられます。エフバイタル株式会社は、蘇生アルゴリズムに基づいて適切に新生児蘇生法が実施できたかをスマートフォン1台で自動的に判定が行える教育システムを開発・普及することで、新生児死亡率の低下に寄与すると考えています。

2023年5月
エフバイタル株式会社


解決を目指す課題 世界、特に開発途上国における新生児死亡率の低減
製品、技術、サービス スマートフォンを利用して非接触で新生児バイタルデータおよび医療者の蘇生処置挙動データの取得・解析をし、医療現場の設備もしくは人材体制・教育体制・インストラクターの有無に頼らない新生児蘇生法の教育支援システムの開発。
商品名:新生児蘇生法教育支援AIシステム
アプローチ 製品開発、実証、製品普及
対象国、地域 アジア、アフリカ地域
達成目標年 2025年度末
事業規模 実証事業・ニーズ調査を数千万円~1億円程度の規模で実施予定
パートナー 実証事業パートナー:国立成育医療研究センター
※海外におけるパートナーは検討中
SDGs該当ターゲット


3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生 1,000 件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生 1,000 件中 25 件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。

 

背景


UNICEFによると、世界全体で年間 252 万⼈を超える新⽣児が出⽣後 28 ⽇以内に命を落としているといわれており(*1)、SDGs ⽬標 3.2 にも新⽣児死亡率の改善が掲げられています。新生児の約15%が蘇生措置を必要とする状態で生まれてくるとされていますが(*2)、適切な処置を受けられなかったために生じる新生児死亡や脳性麻痺の数は少なくありません(*3)。特に開発途上国においては、都市と地方の格差、設備やインストラクターの不足なども問題が深刻と考えられます。そのため場所や設備・インストラクターの有無にとらわれることなく、より安価に新生児蘇生法の習得が可能となることが求められています。




事業の目的


・新生児蘇生法教育支援AIシステムを開発・普及させることで対象国の新生児死亡率を出生1,000 件中12件以下まで減らします(SDGs 3.2)。
・場所や設備・インストラクターの有無にとらわれることなく、新生児蘇生法の習得が容易になります。


事業の詳細


スマートフォン1台で以下に掲げることが可能となります。より多くの医療者が外部環境にかかわらず、新生児蘇生の振り返りを実施でき、新生児死亡率の低下に寄与すると考えます。
① 医療者が行った新生児蘇生を、NCPRアルゴリズム(*4)に基づいて自動的に判定・採点。医療者は判定・採点結果に基づいて自身の改善点を振り返ることができる。
② 蘇生訓練用シミュレータを用いて行った訓練を、NCPRアルゴリズム(*4)に基づいて自動的に判定・採点。訓練者は判定・採点結果に基づいて自身の改善点を振り返ることができる。
なお、各国で用いている蘇生アルゴリズムが異なるため、NCPRアルゴリズムを各国の状況にあわせて改良します。




コミットメント達成までの計画(マイルストーン)や活動進捗をモニタリングするKPI


第1段階:プロトタイプの開発(2022年度)※実施済
日本国内において新生児蘇生法教育支援AIシステムのプロトタイプを開発します。そのために必要なデータの取得および解析を行います。

第2段階:海外での実証事業・フィージビリティ調査(2023~2024年度)
上記で開発されたプロトタイプを海外の病院・教育施設で実証し、必要な技術のチューニングおよび海外で求められる機能などの追加について検討を行います。また、実際に使用した医療者・訓練者のフィードバックをもとにアプリのインターフェースなどの改善を検討します。
実施国数:実証事業1~2ヶ国
実施病院・教育施設数:2~3施設
実施期間:2~3ヶ月

新生児蘇生法教育支援AIシステムのフィージビリティ調査を行います。具体的には需要調査、現地パートナーを含む運営体制、価格設定などについて検討します。
実施国数:ニーズ調査3~4ヶ国
実施期間:1年間

第3段階:本格導入(2025年度)
上記実証事業で改善された新生児蘇生法教育支援AIシステムを、上記フィージビリティ調査にて需要が見込まれ、将来的に収益性を確保できそうな国で導入します。
実施国数:1~2ヶ国


コミットメント達成に必要な条件


外部資金の獲得
実証事業に協力して頂ける海外の病院とのマッチング


各パートナーとの役割分担


エフバイタル株式会社:全体統括、教育支援AIシステムの開発
国立成育医療研究センター:新生児蘇生法に関する医学的知見からのアドバイス、開発にかかるデータ収集、国内実証のフィールド提供
海外パートナー:実証事業におけるフィールドの提供、実証事業のフィードバック


参考文献、引用文献、関連リンク


1. UNICEF(2021). Neonatal mortality. https://data.unicef.org/topic/child-survival/neonatal-mortality/
2. 一般社団法人日本蘇生協議会 (2020). JRC 蘇生ガイドライン.
3. B. Kamath-Rayne, et al. (2017). Neonatal resuscitation in global health settings: an examination of the past to prepare for the future. Pediatr. Res. 82, 194-200.
4. 2020年版NCPRアルゴリズム https://www.ncpr.jp/guideline_update/pdf/ncpr_algorithm2020.pdf


企業情報、問い合わせ窓口


企業名: エフバイタル株式会社
担当部署、担当者: グローバルヘルス事業、安島真澄
メールアドレス: info"at"fvital.tech

(メールアドレスの“at”は@に置き換えてください)

編集:本文および写真は全てエフバイタル社より提供。